2025年6月議会*一般質問*教育環境の充実について

(1)万博遠足について

これまでに、大阪府内の教育委員会が参加を見送る決定をしたのは、  吹田市・交野市・熊取町・島本町です。

その他にも、豊中市では、低学年で参加を 見送り、小中学校38校中、全学年参加は6校のみです。

枚方市でも、一部の中学校が、「安全面での不安が大きい」と実施を見送る通知が保護者に届いています。

大阪市では、小中学校412校のうち、40校が参加を見送りました。

堺市では、小中学校136校のうち106校が参加を見送りました。

その理由には、「混雑による迷子や接触事故のリスク、テストランでの  工事中のパビリオンによる、動線確認が困難だったこともあり、     下見が十分に行えなかった。」「熱中症リスクや低学年の体力面を考慮した。」とお聞きしています。

 大阪府内の参加状況は5月12日時点で、参加した小中学校は26校、 見送った学校は110校です。

富田林市内小中学校の現時点での実施は、18校です。

これからは、熱中症やゲリラ豪雨などの心配もあります。

子どもたちの安全や命を守ることを優先に、慎重に実施の検討をするべきだと思いますのでお聞きします。

一つ目に、府内で万博遠足中止を決定した小中学校数の増加と見送った理由について、富田林市の小中学校の子ども達にも同じ心配をすると思いますが、市の見解をお示しください。保護者や教員から同じような 心配の声は聞いているのか併せてお聞かせください。

次に、現時点での実施済みの学校について、事前にパビリオンが予約できているのか、当日見学したパビリオンには、下見が行えていたのか教えてください。また、欠席を希望した児童生徒への対応と、保護者からの出席扱いの要望、事前事後学習・振り返り学習の有無と持ち方など、どのようにされているのかお聞かせください。

(2)小中一貫教育校について

3月議会の予算決算常任委員会において、小中一貫教育校についてお聞きしました。その中で、「現在の市立小中学校の枠組みや施設についてはそのままで、教育の中身について改善を図るための学校が主体となった取り組みである。」と答弁がありました。

そこで①教育の中身について改善するところ、すなわち改善すべき課題は何かお答えください。また、②課題の改善には様々な手立てがあるが、小中一貫教育で課題の改善をするメリットまたはデメリットは何かお聞かせください。

②一中校区の新堂・富田林の両幼稚園、両保育園、両小学校と第一中学校の5校園が取り組んでおられる12か年プロジェクトについての教育委員会からの資料提供がありました。その中に「これまでの取り組み」で、「算数のテストを中学校の教員が作る。中学で必要な学力や定期テストの感覚を知る。チャレンジテストを知る。」とありました。この文章では、中学校教師が小学生に少し難しい問題を作って、学力を試すようにも捉えられます。実際の内容をお示しいただくとともに、この取り組みはどんな目的があるのか教えてください。

(3)課題の解決には、教員の人数を増やし、少人数学級の整備が重要

課題の解決には、教員の人数を増やし、教師の働き方の改善が必須と同時に、少人数学級の整備が重要ではないかと考えます。

今年度の教職員の欠員状況、正規職員の配置であるところに講師等の正規職員以外が配置されている講師の配置人数、を教えてください。

支援学級に通う児童生徒を通常学級の人数にカウントしない理由と、ダブルカウントした場合、定員を超えるクラスが小中学校で何クラスあるのかについてお聞かせください。そして、支援学級の子どもたちが、通常学級のクラスで学習する際の付き添いはどのようになっているのか、併せてお答えください。

 学校では、支援学級に通う生徒児童も、同じ学年の児童生徒という認識が当たり前ではないのでしょうか。さらには、定員を超える状況を教育委員会としてどのようにお考えなのかお聞かせください。

(4)学校のトイレに生理用品の設置状況と予算について

市内の小中学校において、生理用品をトイレに設置しているトイレの数、個室トイレに設置しているトイレの数を教えてください。また、生理用品を学校が購入にすることに関して予算化されたとお聞きしましたので詳しく教えてください。

寺尾ちあきの意見と要望

「実施した学校から、留意点・新しい情報の提供が行われている」との答弁ですが。新たな熱中症の懸念については、万博協会事務局が実施する暑熱対策をされると万博協会まかせ。日陰の移動動線、水分確保は学校間で共有されていると、実施校に確認してきてもらわないと対策が取られるのか分からない。すべての施設内を見学できていないとの答弁では、下見を充分に行うこのことができていない、すなわち、安全対策が万全でない中、万博遠足が実施されてしまっている現状は大きな問題です。

何かが起きた際は、市長、市教育委員会として重大な責任が問われます。           

再度、教育委員会として、学校の校外学習の在り方の再検討を強く要望しておきます。

 教員の皆さんは、どうにか、安全対策を充実させて実施しようと努力されているのに、教員の声が答弁では分かりませんでした。

万博会場の問題はこれまで、テストラン中の会場内で、基準値を超えるメタンガス濃度の検知、自動運転バスが壁に衝突した事故、シャトルバスの接触事故に加え、ユスリカの大量発生など次々に問題が発生しています。さらには、6月9日の報道で、噴水ショーを行う「ウォータープラザ」と、中央部の「静けさの森」の人工池で、指針値の約20倍のレジオネラ属菌が検出されています。レジオネラ菌は、菌が含まれている水しぶきを吸い込むことで感染し、レジオネラ肺炎等の感染症を引き起こし、適切な治療が行われないと重症化し、死に至ることもあります。

把握されている対策や遠足で訪れても安全なのか、徹底して調査してください。また、これまでに実施された学校について、児童から体調不良などが起きていないか調査を要望しておきます

 教育委員会として、実施の目的や安全面での検討内容や心配される事など教員から出ている声を聴き、生徒児童の安全面、学習の狙いや目的意義を実現する取り組みに万博遠足がふさわしいのか、判断していただきたいです。

 その上で、直ちに、安全面や教育面での懸念により万博遠足の見送りを、 市と市教育委員会で表明するべきだと、再度、求めておきます。

はじめに、小学校の教育課程、中学校の教育課程をなし崩しに小中一貫校の教育を進めると、小学校高学年の自覚など、これまでにあった子どもの 成長に有益なものが失われたり、中学校のテスト体制や厳しい管理が小学校に拡大するなどの問題が出てくる恐れがあります。これらの懸念が起きないよう要望するとともに、一部の学校だけ特別な教育をするのではなく、また改善点の解消には様々な手立ての検討をし尽くし、すべての学校の教育条件の向上が図られることを要望しておきます。

 改善すべき課題は、「不登校者数の増加」とご答弁がありました。

日本共産党も、「子どもの権利を尊重し、子どもも親も安心できる支援を」と不登校問題での提言を発表しました。不登校は10年間で3倍に急増しています。子どもにも親にも寄り添う支援策と行きたくなる学校づくりが大切です。今後、子どもの権利の観点から、子どもの声を聴く場の充実や、休める権利を子どもが有している事を認める社会を作る事、それをどのように認め守るかだと思います。そして、これまで、不登校は親の責任にされてきた問題もあります。子どもも親も安心できる支援の在り方についても、しっかりと考えていただけるよう要望しておきます。

さらには、「授業や活動の内容によって、支援学級の担任が付き添っていない現状もある」とご答弁がありました。

「教職員定数等の改善等について、国に要望する」との答弁もありましたが、定員の改善も大変重要だと考えますが、定員を改善しても、現場で定員オーバーする状況が生れていることを見過ごしていれば、定員の改善の効果も十分えられません。

少人数学級できめ細やかに子どもたちへの教育が行える環境整備には、 ダブルカウントをすれば、定員を超え、教室を分割できる状況にあるクラス、現在市内に7学級あります。この状況も、国・府に報告し、改善を求めていただくよう、要望しておきます。

生理用品設置事業として、小学校高学年が主に使用するトイレ、中学校では全学年の女子トイレ全てに設置されたとのご答弁ありました。

 私のところにも、小学校6年生の女子児童が、生理用品が設置されたことで、「トイレで生理になったことが分かった時、教室に取りに行くことなく、その場で対処でき、行ったり来たりしなくてよくなって嬉しい」と喜ぶ声が届きました。生理の対応で休憩時間が無くならずに済み、学校で過ごす時間がより良いものになります。

今後も、個室トイレの設置の状況やどれくらいの使用があるのかなど、養護教諭の先生や学校関係者の方々、児童生徒の声を聴き、安心して学校生活を送ることができる環境整備を、引き続き進めていただきますよう要望しておきます。